『プロテインの代わりはきく?』BCAAやEAAだけでは不十分な理由

『プロテインの代わりはきく?』BCAAやEAAだけでは不十分な理由

[chat face=”nayami1.png” name=”ナヤミくん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]プロテインって要するにアミノ酸がたくさん集まったものでしょ?

アミノ酸を摂ればプロテインの代わりになるんじゃないの?[/chat]

このような悩みを解決できる記事になっています。

結論

BCAA(分岐鎖アミノ酸)やEAA(必須アミノ酸)のサプリメントではプロテインの代わりにはなりません

その理由として下記の研究があげられます。

筋原線維タンパク質合成(MPS)を調べる研究において

条件 24人の若い男性を3グループに分けて下記を投与する

  1. ホエイプロテイン 25g → 以下 WHEY
  2. ホエイプロテイン 6.25g(ロイシンを3.0g添加) → 以下 LEU
  3. ホエイプロテイン 6.25g(必須アミノ酸:EAAを添加、ロイシンは0.75g) → 以下 EAA-LEU

1~3時間後の筋肉の合成速度は、プロテインの量や条件、抵抗運動に関係なくほとんど同じ状態なのがわかりました。

それ以降の3~5時間後の筋肉の合成速度になると、抵抗運動後プロテイン25g飲む条件だけが、高い状態を維持できることがわかりました。

このことから、抵抗運動することによって筋肉の合成を維持し続けるには、プロテイン25gの通常量が必要ということです。

ロイシンは筋肉の合成に深く関係していますが、含まれている量が多いほど効果がある訳ではなさそうです。(LEU:3.0gに対しEAA-LEU:0.75g)

 

この記事を読むことで、筋肉を合成しやすい状態を持続させるのに必要な要素がわかります。

タンパク質とアミノ酸

タンパク質は身体の構造を維持するものや触媒作用をもつものなど、様々なものがあります。

そのタンパク質すべては、『L-α-アミノ酸がペプチド結合(-CO-NH-)で連なったポリペプチド鎖からなる高分子』でできています。

要するにアミノ酸が数え切れないほど繋がってるということです。

タンパク質が酸や消化酵素によって細かく分解されて、最終的にアミノ酸になり初めて吸収されます。

だったらタンパク質を分解する手間を省いて、最初からアミノ酸を摂ればいいんじゃない?とは思わないでしょうか?

今回はこの内容について掘り下げていこうと思います。

トレーニングに有効なサプリメント

筋肉を合成するのに必要な材料の補充としてプロテインが有名です。

その他にもBCAA(分岐鎖アミノ酸)やEAA(必須アミノ酸)などのサプリメントは、聞いたことはないでしょうか?

BCAAとは必須アミノ酸の中のロイシン・バリン・イソロイシンを取り出したサプリメントで、特にロイシンは筋肉の合成に深く関わっているアミノ酸になります。

EAAは必須アミノ酸のことで、9種類の必須アミノ酸が含まれているサプリメントになります。

EAAの中にBCAAの3種も含まれてますが、この2つのサプリメントの違いはロイシン・バリン・イソロイシンの含まれている量になります。

 

面白い研究

BCAAやEAAはアミノ酸なので、吸収が早く筋肉の合成にも深く関わるので、プロテインの代わりになるのでは?と思うんじゃないでしょうか?

この疑問に対しての面白い研究があったので紹介します。

研究の内容

研究の内容を簡単に説明します。

24人の若い男性を3グループに分けて、ポイントの1~3の条件でプロテインを飲んでもらいます。

その後『何も飲んでない状態』に比べて、『飲んで1~3時間後』『飲んで3~5時間後』の筋肉の合成速度はどうなってるかを調べるというものです。

抵抗運動ありの場合も調べます。

『何も飲んでない状態』『抵抗運動後、飲んで1~3時間後』『抵抗運動後、飲んで3~5時間後』です。

条件

  1. ホエイプロテイン 25g → 以下 WHEY
  2. ホエイプロテイン 6.25g(ロイシン3.0g添加) → 以下 LEU
  3. ホエイプロテイン 6.25g(EAA:必須アミノ酸添加、ロイシン0.75g) → 以下 EAA-LEU

Supplementation of a suboptimal protein dose with leucine or essential amino acids: effects on myofibrillar protein synthesis at rest and following resistance exercise in men

Tyler A. Churchward‐VenneNicholas A. BurdCameron J. MitchellDaniel W. D. WestAndrew PhilpGeorge R. MarcotteSteven K. BakerKeith BaarStuart M. Phillips

J Physiol. 2012 Jun 1;590(Pt 11):2751-65. doi: 10.1113/jphysiol.2012.228833. Epub 2012 Mar 25.

研究結果

A は抵抗運動なしで、摂食前(FAST)、摂食後(FED)1~3時間後・3~5時間後の筋原線維タンパク質合成速度をみたもの

B は抵抗運動ありで、摂食前(FAST)、摂食後(FED)1~3時間後・3~5時間後の筋原線維タンパク質合成速度をみたもの

結論

上記のグラフを見ると1~3時間後の筋肉の合成速度は、プロテインの量や条件、抵抗運動に関係なくほとんど同じ状態なのがわかりました。

それ以降の3~5時間後の筋肉の合成速度になると、抵抗運動後プロテイン25g飲む条件だけが、高い状態を維持できることがわかりました。

このことから、抵抗運動することによって筋肉の合成を維持し続けるには、プロテイン25gの通常量が必要ということです。

ロイシンは筋肉の合成に深く関係していますが、含まれている量が多いほど効果がある訳ではなさそうです。(LEU:3.0gに対しEAA-LEU:0.75g)

BCAA(分岐鎖アミノ酸)とEAA(必須アミノ酸)がプロテインの代わりにはならないということになります。

まとめ

  • BCAA(分岐鎖アミノ酸)やEAA(必須アミノ酸)がプロテインの代わりになるのか?

上記について説明してきました。

長時間(3時間以降)筋肉を合成するいい状態を持続させるには、抵抗運動と通常量のプロテイン(25g)が必要になってきます。

BCAAとEAAのサプリメントだけでは足りないということですね。

ただし、BCAAやEAAがダメという訳ではなくメリットは十分にあるので、飲み方に気をつける必要があるということです。

参考文献

  • 臨床検査学講座 第2版 生化学

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