[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]亜鉛と筋肉の関係
亜鉛をどれくらい摂ればいいのか?
どんな食べ物に多く含まれているのか?[/chat]
今回、亜鉛について掘り下げていこうと思います。
結論
亜鉛が不足すると筋肉の合成に影響が出てしまいます。
その原因として2つ
- インスリンが作れない
- テストステロン(男性ホルモン)が作れない
亜鉛を多く含む食べ物は『かき』になります。
特に『かきくん製油漬缶詰』に多く含まれています。
食べ物で亜鉛を摂れない場合は、サプリメントを利用することをおすすめします。
この記事を読むことで以下がわかります。
- 筋トレになぜ亜鉛が必要なのか?
- 亜鉛の摂取量
- 亜鉛はどのように摂ればいいか?
亜鉛が身体に与える効果

亜鉛は、体内に約2,000mg存在しており、主に骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などに分布しています。
私たちの身体の中では『鉄』の次に多く含まれているミネラルになります。
亜鉛の生理機能は、タンパク質との結合によって発揮されます。
亜鉛の恒常性は、亜鉛トランスポーターによる亜鉛の細胞内外への輸送と、メタロチオネインによる貯蔵によって維持されます。
腸管吸収率は約 30%とされますが、亜鉛摂取量に伴って変動します。
また、食事中共存物、中でもフィチン酸は亜鉛吸収を阻害してしまいます。
亜鉛の尿中排泄量は少なく、体内から失われる亜鉛は腸管粘膜の脱落、膵液や胆汁の分泌などに伴う糞便への排泄、発汗と皮膚の脱落、精液または月経血への逸脱が主なものになります。
亜鉛と筋肉について見ていきましょう。
亜鉛が不足すると筋肉が作れない
亜鉛が不足すると筋肉の合成に影響を与えてしまいます。
その理由として以下の2つが関係しています。
- インスリンが作れない
- テストステロン(男性ホルモン)が作れない
それぞれ説明していきます。
インスリンが作れない
亜鉛が不足するとインスリンが作れなくなります。
なぜなら、インスリンはα鎖(21個のアミノ酸)とβ鎖(30個のアミノ酸)の2つのペプチドから作られているのですが、亜鉛はその2つの鎖をつなげて安定させるときに必要とされるからです。
インスリンは筋肉を増やすために重要なホルモンになります。
亜鉛が不足するとインスリンが作れなくなり、結果として筋肉が増やせなくなるのです。
テストステロン(男性ホルモン)が作れない
亜鉛の不足はテストステロンを低下させてしまいます。
なぜなら、亜鉛は男性では前立腺や性腺に高濃度に含まれていて、性ホルモンの合成や精子の生成などに深く関係しているからです。
詳しいことはわかっていませんが、以下の研究もあります。
- 毛髪の亜鉛濃度が高い男性は、血中のテストステロン値が高い※1
亜鉛が欠乏すると性的な機能が低下する可能性があり、アメリカでは亜鉛は『セックスミネラル』とも呼ばれています。
テストステロンはいわずとも知れた、骨格や筋肉を発達させるステロイドホルモンです。
亜鉛の不足によるテストステロンの低下は、筋肉の発達に影響を与えてしまうのです。
その他の亜鉛不足による影響

亜鉛の不足は筋肉以外にも影響を与えてしまいます。
- 免疫力が下がる
- 味覚障害の原因になる
- 皮膚の新陳代謝に異常を起こす
こちらもそれぞれ見ていきましょう。
免疫力が下がる
亜鉛の不足は免疫力を低下させてしまいます。
なぜなら、マクロファージや好中球などの免疫細胞の機能、NK(ナチュラルキラー)細胞活性および補体活性を低下させてしまうからです。
免疫機能の低下は軽度から中等度の亜鉛欠乏症になりますが、重症になると免疫機能を抑制するにまで至ります。
亜鉛の不足は免疫力を低下させてしまうのです。
味覚障害の原因になる
亜鉛の不足は味覚に影響を与えてしまいます。
なぜなら、舌の表面にある味蕾(みらい)と呼ばれる味を感じる器官の新陳代謝が十分に行われなくなるため、味がわかりにくくなったり、感じなくなったりするからです。
中には、何も食べていないのに塩味や苦味を感じたり、何を食べても嫌な味になるケースもあります。
味蕾(みらい)は身体の中でも細胞分裂が盛んなところです。
味細胞と支持細胞からなり、味細胞は約10日間で細胞が新しく生まれ変わるほどです。
食べ物を美味しく感じれないことは、食べる楽しさを失うことになります。
そうならないためにも亜鉛不足には気をつけないといけません。
皮膚の新陳代謝に異常を起こす
亜鉛は皮膚を正常に保つためには欠かせません。
なぜなら、細胞分裂やタンパク質の合成に深く関わっているからです。
亜鉛の欠乏により皮膚炎を起こすこと、長期の入院患者で亜鉛不足により床ずれを起こしたりと、亜鉛は皮膚と深く関わっているのです。
そして、亜鉛不足は皮膚への影響だけではなく、抜け毛にも影響が出るという研究もあります。
動物実験ですが、ラットを亜鉛欠乏にさせることで毛が抜けてしまうことがわかりました。
これは、皮膚の状態が悪くなるためだと考えられています。
皮膚を正常に保つために亜鉛は欠かせないのです。
亜鉛をどれくらい摂ればいいのか?

亜鉛の重要さがわかったところで、不足しないためにもどれくらい摂ればいいのか見ていきましょう。
亜鉛の食事摂取基準(mg/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
18~29(歳) | 9~11 | 40 | 7~8 | 35 |
30~49(歳) | 9~11 | 45 | 7~8 | 35 |
50~64(歳) | 9~11 | 45 | 7~8 | 35 |
65~74(歳) | 9~11 | 40 | 7~8 | 35 |
75以上(歳) | 9~10 | 40 | 6~8 | 30 |
妊婦 | ― | ― | +2 | ― |
授乳期 | ― | ― | +4 | ― |
参考:日本人の食事摂取基準(2020年版) 『日本人の食事摂取基準』策定検討会報告書
大量の亜鉛の継続的摂取は人体に影響を与えてしまうため、耐容上限量が設定されています。
過剰の亜鉛摂取による影響
- 銅の吸収阻害による銅欠乏がもたらすスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性の低下
- 鉄の吸収阻害が原因の貧血
- 胃の不快感
- 血清HDLコレステロールの低下
- 血清フェリチン、ヘマトクリット、赤血球SOD活性の低下
- 血清亜鉛増加
亜鉛が多く含まれている食べ物

食べ物の中には亜鉛が多く含まれているものがあります。
亜鉛が多く含まれている食べ物を紹介します。
亜鉛が多く含まれている食べ物 | 100gあたりの数値(mg) |
魚介類/かき/くん製油漬缶詰 | 25.4 |
魚介類/かき/養殖、水煮 | 18.3 |
穀類/こむぎ/[その他]/小麦はいが | 15.9 |
魚介類/かき/養殖、生 | 14.5 |
魚介類/かき/養殖、フライ | 11.9 |
魚介類/(かつお類)/加工品/塩辛 | 11.8 |
調味料及び香辛料類/パプリカ/粉 | 10.3 |
魚介類/ぼら/からすみ | 9.3 |
肉類/うし/[加工品]/ビーフジャーキー | 8.8 |
肉類/ぶた/[その他]/スモークレバー | 8.7 |
参考:文部科学省 食品成分データベース
ご覧の通りほとんどが『かき』になります。
1番多く含まれているのが『かきのくん製油漬缶詰』になり、缶詰なので1年中食べられるのが魅力ですね。
その他にも、ビーフジャーキーやスモークレバーにも比較的多く含まれてます。
亜鉛の摂取はサプリメントで

食べ物で亜鉛を十分に摂れれば1番いいですが、忙しかったりと摂れない場合はサプリメントを利用しましょう。
おすすめのサプリメントを紹介します。
商品名 | 販売会社 | 特徴 |
DHC亜鉛 | DHC | 1日1粒で60日分。1粒亜鉛15mg、クロム60μg、セレン60μg。 |
ネイチャーメイド亜鉛 | 大塚製薬 | 1日1粒で60日分。1粒亜鉛10mg。 |
亜鉛サプリメント | オーガランド | 1日1粒で30日分。1粒亜鉛12mg、銅0.6mg。 |
なぜ、この3つかというと実際に使ってみてよかったからです。
まとめ:筋肉のためにも美味しく食べるためにも亜鉛は必要
これまでをまとめましょう。
亜鉛の不足により、筋肉が作れなくなる
- インスリン
- テストステロン
その他の亜鉛不足による影響
- 免疫力が下がる
- 味覚障害の原因になる
- 皮膚の新陳代謝に異常を起こす
亜鉛の摂取量の目安 ※表を参照
亜鉛は『かき』に多く含まれる。ビーフジャーキーやスモークレバーにも比較的多く含まれる。
食べ物で摂れない場合はサプリメントで補う
亜鉛は私たちの身体にとって重要なミネラルになります。
亜鉛と筋肉の関係では、筋肉を増やすために必要な『インスリン』と『テストステロン』に影響を与えてしまいます。
筋トレにも重要な成分になりますね。
その他の影響も気になりますが、特に味覚障害の原因になることだけは防ぎたいです。
食べ物を美味しく感じれないほど辛いことはないですからね。
食べ物で亜鉛を十分に摂れればいいですが、どうしても無理な場合はサプリメントを利用するといいでしょう。
持ち運びが便利でいつでも使うことができます。
参考文献
※1 Chang et al. Biol Trace Elem Res. 2011
アスリートのための最新栄養学(上) 山本義徳
[…] あわせて読みたい筋トレと亜鉛の関係性【亜鉛不足は筋肉合成に影響あり】 今回、亜鉛について掘り下げていこうと思います。 結論 亜鉛が不足すると筋肉の合成に影響が出てしまいま […]