ビタミンが筋肉作りに必要な理由【酵素の働きを助ける補酵素】

ビタミンが筋肉作りに必要な理由【酵素の働きを助ける補酵素】

[chat face=”haraheri1-1.png” name=”ナヤミさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]筋トレしてプロテインも飲んでいるのに、思うように筋肉がつかない…[/chat]

このような悩みに答えます。

 

結論

それは身体の中で化学反応=代謝がうまくいってない可能性があります。

代謝をうまく行うには酵素が必要であり、そして酵素を助ける補酵素も必要になります。

  • 酵素=タンパク質
  • 補酵素=多くのビタミン

筋肉を作る代謝をうまく行うために、プロテインに加えてビタミンを摂取しましょう。

この記事を読むことで、筋肉のタンパク質合成になぜビタミンが必要なのかが分かります。

筋肉を増やすにはタンパク質だけでは不十分

筋肉を増やすには材料だけではダメ

筋肉を増やすにはタンパク質(材料)があるだけでは不十分になります。

なぜなら、タンパク質だけでは筋肉を増やすための『化学反応』がうまく行えないからです。

人の身体の中でエネルギーを生産したり、筋肉を増やしたりする化学反応のことを『代謝』と呼び、この代謝のときに必要とされるのが『酵素』になります。

酵素というと『消化酵素』のことが浮かぶと思いますが、実は酵素には様々な種類があるのです。

  • タンパク質を合成する酵素
  • エネルギーを生産する酵素
  • DNAを複製する酵素など

そして、酵素はDNAのメッセージにより作られる『タンパク質』の1種でもあります。

タンパク質はあらゆるところで必要になってくるので、不足した状態だと酵素が作れず代謝もうまくいかなくなるのです。

代謝をうまく機能させるには『酵素の働きをサポートするもの』も必要になります。

なぜなら、酵素だけではうまく代謝を行えないからです。

この酵素の働きをサポートするものを『補酵素』と呼び、補酵素があって初めて代謝がうまくいくようになるのです。

ビタミンは『縁の下の力持ち』

ビタミンは『縁の下の力持ち』

酵素の働きをサポートするものを補酵素といい、この補酵素にあたる多くのものが『ビタミン』になります。

酵素をビタミンが活性化することで、筋肉作りがうまくいくのです。

それだけビタミンは重要であり、筋トレに欠かせない成分になります。

ビタミンには『脂溶性ビタミン』と『水溶性ビタミン』があり、それぞれ違う働きをします。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは加熱調理や水洗いによる損失が少なく、油と一緒に炒めて摂取することで吸収率が上がります。

脂溶性ビタミンは体外に排出されず、体内に留まることが特徴です。

脂溶性ビタミン

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE

ビタミンA

ビタミンAは『レチノイド』といい、その末端構造により『レチノール(アルコール)』、『レチナール(アルデヒド)』、『レチノイン酸(カルボン酸)』に分類されます。

経口摂取した場合、体内でビタミンA活性を有する化合物は、レチノールやレチナール、レチニルエステルのほか、β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンなどおよそ50種類に及ぶプロビタミンAカロテノイドが知られています。

ビタミンAの食事摂取基準の数値をレチノール相当量として示し、レチノー
ル活性当量(retinol activity equivalents:RAE)という単位が使われます。

ビタミンAの効果

主要成分であるレチノールには目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりしてくれる効果があります。

つまり免疫機能を向上してくれます。

ビタミンAを欠乏すると、乳児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり、成人では夜盲症を発症します。

その他にも成長阻害、骨および神経系の発達抑制も見られ、上皮細胞の分化・増殖の障害、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫能の低下や粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなってしまいます。

ビタミンAが多く含まれている食べ物

  • ビタミンAの主要成分は『レチノール』
  • その他のプロビタミンAの中で、最もビタミンAの効果が高いのが『β-カロテン』となり、β-カロテンはレチノールの6分の1の効力と想定されている。

『レチノール』と『β-カロテン』が多く含まれている食べ物

レチノール:含有量Top5

順位 食品名 成分量100gあたり(μg)
1 肉類/ぶた/[その他]/スモークレバー 17,000
2 肉類/にわとり/[副生物]/肝臓/生 14,000
3 肉類/ぶた/[副生物]/肝臓/生 13,000
4 魚介類/あんこう/きも、生 8,300
5 魚介類/やつめうなぎ/生 8,200

β-カロテン:含有量Top5

順位 食品名 成分量100gあたり(μg)
1 藻類/あまのり/ほしのり 38,000
2 藻類/まつも/素干し 30,000
3 藻類/あまのり/味付けのり 29,000
4 調味料及び香辛料類/パセリ/乾 28,000
5 藻類/いわのり/素干し 25,000

参照:文部科学省 食品データベース

ビタミンD

ビタミンDに関してはこちらをご覧ください。

https://kintoremuscle.com/%e7%ad%8b%e8%82%89%e3%81%ae%e5%90%88%e6%88%90%e3%82%92%e4%bf%83%e3%81%99%e3%83%93%e3%82%bf%e3%83%9f%e3%83%b3d%e3%81%ae%e5%8a%b9%e6%9e%9c%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f%e3%80%90%e3%81%95%e3%82%89%e3%81%ab/

ビタミンE

ビタミンE には、『4種のトコフェロール』と『4種のトコトリエノール』の合計8種類の同族体が知られており、クロマノール環のメチル基の数により、α-、β-、γ-およびδ-体に区別されています。

血液および組織中に存在するビタミンEの同族体の大部分が『α-トコフェロール』になります。

ビタミンEの効果

生体膜を構成する不飽和脂肪酸あるいは他の成分を酸化障害から防御するために、細胞膜のリン脂質二重層内に局在します。

つまり抗酸化作用になります。

ビタミンEを欠乏すると、女性では不妊、その他にも脳軟化症・肝臓壊死・腎障害・溶血性貧血・筋ジストロフィーなどの症状を呈してしまいます。

逆にビタミンEを過剰摂取すると、出血傾向が上昇します。

※通常の食品からの摂取において、ビタミンE欠乏症や過剰症は発症しない

ビタミンEが多く含まれている食べ物

  • ビタミンEの大部分がα-トコフェロール

α-トコフェロールが多く含まれている食べ物

α-トコフェロール:含有量Top5

順位 食品名 成分量100gあたり(mg)
1 し好飲料類/(緑茶類)/せん茶/茶 64.9
2 油脂類/(植物油脂類)/ひまわり油/ハイリノール 38.7
2 油脂類/(植物油脂類)/ひまわり油/ミッドオレイック 38.7
2 油脂類/(植物油脂類)/ひまわり油/ハイオレイック 38.7
5 種実類/アーモンド/乾 30.3

参照:文部科学省 食品データベース

水溶性ビタミン

水溶性ビタミン

水溶性ビタミン(特にビタミンC)は水洗いや加熱調理による損失が大きく、茹で物や煮物より蒸し物や痛め物などが適しています。

体外に排出されやすいのが特徴です。

水溶性ビタミン

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンC

ビタミンB1

ビタミンB1の化学名は『チアミン』と呼ばれます。

チアミンは通常の食品中ではリン酸が1つ結合した『チアミンモノリン酸(ThMP)』(これが大半である)、2つ結合した『チアミンジリン酸(ThDP)』、3つ結合した『チアミントリリン酸(ThTP)』の形で存在しています。

なお、サプリメントなどに含まれるビタミンB1は『チアミン塩化物塩酸塩』となっています。

ビタミンB1の効果

補酵素型のThDPとして、グルコース代謝と分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝などに関与しています。

糖質をエネルギーに変える重要な働きをします。

ビタミンB1が欠乏すると、脚気やウェルニッケーコルサコフ症候群などを起こしてしまいます。

ビタミンB1が多く含まれる食べ物

ビタミンB1:含有量Top5

順位 食品名 成分量100gあたり(mg)
1 調味料及び香辛料類/酵母/パン酵母、乾燥 8.81
2 穀類/こめ/[その他]/米ぬか 3.12
3 調味料及び香辛料類/<その他>/酵母/パン酵母、圧搾 2.21
4 肉類/ぶた/[大型種肉]/ヒレ、赤肉、焼き 2.02
5 穀類/こむぎ/[その他]/小麦はいが 1.82

参照:文部科学省 食品データベース

ビタミンB2

ビタミンB2の化学名は『リボフラビン』と呼ばれます。

ビタミンB2にリン酸が1つ結合した『フラビンモノヌクレオチド(FMN)』、FMNにAMPが結合した『フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)』ともに、消化管でビタミンB2にまで消化された後、体内に取り込まれるためビタミンB2と等モルの活性を示します。

食事摂取基準では、リボフラビン重量として設定されています。

ビタミンB2の効果

補酵素フラビンモノヌクレオチド(FMN)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)として、エネルギー代謝や物質代謝に関与しています。

脂肪をエネルギーに変えるときに重要な働きをします。

ビタミンB2が欠乏すると、TCA回路や電子伝達系、脂肪酸のβ酸化等のエネルギー代謝に影響を与えるため成長抑制を引き起こしてしまいます。

また、口内炎や口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎なども起こしてしまいます。

ビタミンB2が多く含まれる食べ物

ビタミンB2:含有量Top5

順位 食品名 成分量100gあたり(mg)
1 魚介類/(さけ・ます類)/しろさけ/めふん 6.38
2 肉類/ぶた/[その他]/スモークレバー 5.17
3 調味料及び香辛料類/酵母/パン酵母、乾燥 3.72
4 肉類/ぶた/[副生物]/肝臓/生 3.60
5 肉類/うし/[副生物]/肝臓/生 3.00

参照:文部科学省 食品データベース

ビタミンB6

ビタミンB6活性を有する化合物として、『ピリドキシン(PN)』、『ピリドキサール(PL)』、『ピリドキサミン(PM)』があります。

これらのリン酸化型である『ピリドキシン5-リン酸(PNP)』、『ピリドキサール5-リン酸(PLP)』、『ピリドキサミン5-リン酸(PMP)』は、消化管でビタミンB6にまで消化された後、体内に取り込まれるためビタミンB6と等モルの活性を示します。

食事摂取基準では、日本食品標準成分表2015年版(七訂)に従い、ピリドキシンの重量として設定されています。

ビタミンB6の効果

アミノ基転移反応、脱炭酸反応、ラセミ化反応などに関与する酵素の補酵素、
ピリドキサール5-リン酸(PLP)として働いています。

アミノ酸が身体の中で様々な働きをするときに重要な働きをします。

そして、免疫系の維持にも重要になります。

ビタミンB6の欠乏により、ペラグラ様症候群、脂漏性皮膚炎、舌炎、口角症、リンパ球減少症が起こり、成人ではうつ状態、錯乱、脳波異常、痙攣発作が起こります。

また、ピリドキシン(PN)の過剰摂取で感覚性ニューロパシーを発症します。

ビタミンB6が多く含まれる食べ物

ビタミンB6:含有量Top5

順位 食品名 成分量100gあたり(mg)
1 野菜類/とうがらし/果実、乾 3.81
2 穀類/こめ/[その他]/米ぬか 3.27
3 調味料及び香辛料類/にんにく/ガーリックパウダー/食塩添加 2.32
3 調味料及び香辛料類/にんにく/ガーリックパウダー/食塩無添加 2.32
5 野菜類/(にんにく類)/にんにく/りん茎、油いため 1.80

参照:文部科学省 食品データベース

ビタミンC

ビタミンC(アスコルビン酸)は、食品中でもタンパク質などと結合せず、還元型の 『L-アスコルビン酸(AsA)』または酸化型の『L- デヒドロアスコルビン酸(L-dehydroascorbic acid;DAsA)』として遊離の形で存在しています。

日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)において、ビタミンC(アスコルビン酸)の成分値は両者の合計で示されていますが、食事摂取基準は還元型のL-アスコルビン酸の重量として設定しています。

これは、『L-アスコルビン酸(AsA)』と『L- デヒドロアスコルビン酸(L-dehydroascorbic acid;DAsA)』の分子量の違いがわずかであるため、食事摂取基準を活用する上では両者を区別する必要はほとんどないからです。

ビタミンCの効果

  • 爪や肌をきれいに保つ
  • 免疫力を上げる
  • コレステロールを下げる
  • 発ガン物質からカラダを守る
  • アレルギーの症状を緩やかにする
  • 肝臓の機能を強化する

ビタミンCが欠乏すると、コラーゲン合成ができないので血管がもろくなり出血傾向となり、壊血病となってしまいます。

壊血病の症状は、疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などになります。

また、ビタミン C は抗酸化作用があり、生体内でビタミンEと協力して活性酸素を消去して、細胞を保護してくれる効果もあります。

ビタミンCが多く含まれる食べ物

ビタミンC:含有量Top5

順位 食品名 成分量100gあたり(mg)
1 果実類/アセロラ/酸味種、生 1,700
2 し好飲料類/青汁/ケール 1,100
3 調味料及び香辛料類/パセリ/乾 820
3 果実類/アセロラ/甘味種、生 800
5 し好飲料類/(緑茶類)/せん茶/茶 260

参照:文部科学省 食品データベース

ビタミンを摂るなら効率よくサプリメントで

ビタミンを摂るなら効率よくサプリメントで

よく『栄養は食事からできるだけ摂り、サプリメントには頼ってはいけない』などと、昔ながらの人はいいます。

これってどうなのでしょうか?

食事から摂ることやサプリメントのメリットやデメリットについて見ていきましょう。

  メリット デメリット
食事から摂る
  • 噛んで消化することで健康になれる
  • 自炊しなければいけない
  • 費用がかかり過ぎる
  • 野菜の農薬や除草剤などの影響
  • 十分なビタミンを摂るのは不可能(例:ビタミンC1g摂るならレモン1kg食べなければいけない)
  • 食べたくないとき
サプリメント
  • いつでも手軽に飲める
  • コストが抑えられる
  • 十分量を摂れる
  • どこでも持ち運びできる
  • 劣悪なサプリメントの存在
  • 過剰量の飲み過ぎ

実は食事からビタミンを摂ることのデメリットは大きいです。

いつでも新鮮な有機野菜があり、栄養バランスの取れた食事を毎日3食用意できるのなら話は別ですが。

現実的に考えて無理な話でしょう。

その点、サプリメントならいつでも手軽に必要な量を摂ることができます。

確かに、劣悪なサプリメントは存在しますが、現代では安くて良質なサプリメントは簡単に手に入れることができます。

ここは賢くサプリメントからビタミンを摂ることにしましょう。

まとめ:筋トレ後はプロテイン+ビタミン

これまでをまとめましょう。

  • 身体の中で起こる化学反応を代謝といい、このとき必要になるのが酵素
  • 酵素はDNAのメッセージにより作られる『タンパク質』の1種
  • 酵素だけでは代謝がうまくいかない、そこで酵素を助ける補酵素が必要になる
  • この補酵素の役割をするのが多くのビタミンである
  • ビタミンには脂溶性(ビタミンA・D・E)と水溶性(ビタミンB1・B2・B6・C)がある
  • ビタミンを摂るにはサプリメントが効率的

筋トレをしてプロテインを飲んでいるのにうまく筋肉ができない人は、ビタミンなどが不足している可能性があります。

筋トレ後はプロテインに加えてビタミンを摂取することを試してみてください。

ビタミンはその他にも私たちの身体にとって重要な役割をします。

免疫機能の向上など願ってもないことですよね。

野菜などを食事から摂ることが難しいのであれば、賢くサプリメントを活用してみてはいかがでしょうか?

安くていいサプリメントは簡単に手に入れることができます。

参考文献

アスリートのための最新栄養学(上) 山本義徳

日本人の食事摂取基準(2020年版) 『日本人の食事摂取基準』 策定検討会報告書

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