[chat face=”haraheri1-1.png” name=”ナヤミさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ビタミンの摂り過ぎって絶対身体に悪いよね?
余分なビタミンは尿に排出されるみたいだけど、まったく影響ないってことはないんじゃない?[/chat]
このような疑問に答えます。
結論
ビタミンの摂り過ぎはがんのリスクを上げてしまいます。
- ビタミンA(β-カロテン) → 肺がんのリスク
- ビタミンB6とビタミンB12 → 肺がんのリスク
- 葉酸 → 詳しくはわかっていないが、発がんの報告あり
ビタミンは私たちに必要であることは間違いありませんが、摂り過ぎによる影響が懸念されます。
用法用量を守って摂取することが大切になります。
この記事を読むことで、ビタミンの摂り過ぎにより起こる身体への影響が分かります。
ビタミンを過剰に摂ることでがんのリスクが上がる

私たちの健康を維持するのに欠かせないビタミンですが、必要だからといって摂り過ぎてもよくありません。
なぜなら、『がん』のリスクを上げてしまうからです。
ビタミンサプリメントの摂り過ぎの影響を調べた研究や、報告を紹介します。
- ビタミンA
- ビタミンB6とビタミンB12
- 葉酸
ビタミンAの摂り過ぎによる影響
ビタミンAは『レチノイド』といい、その末端構造により分類されます。
- 『レチノール(アルコール)』
- 『レチナール(アルデヒド)』
- 『レチノイン酸(カルボン酸)』
経口摂取した場合、体内でビタミンA活性を有する化合物を『プロビタミンAカロテノイド』と呼び、およそ50種類存在します。
レチノール・レチナール・レチニルエステル・β-カロテン・α-カロテン・β-クリプトキサンチンなど
ビタミンAを活性するプロビタミンAカロテノイドであるレチノールとレチナールは、網膜細胞の保護作用や視細胞における光刺激反応に重要な物質になります。
レチノイン酸は転写因子である核内受容体に結合して、その生物活性を発現するものと考えられます。
[box04 title=”ビタミンAの欠乏による影響”]
乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり
成人では眼所見として暗順応障害が生じ、やがて夜盲症になる。
角膜上皮や結膜上皮の角質化によって角膜や結膜が肥厚し、ビトー斑という泡状の沈殿物が白眼に現れる。
また、皮膚でも乾燥・肥厚・角質化が起こる。
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この中で問題とされているのが『β-カロテン』です。
サプリメントとして大量に摂取した介入試験では、がん(特に肺がん)の予防に対して無効であるか、あるいは有害になる場合もあると考えられています。
はっきりしないいい方ですが、要するに肺がんのリスクを高めてしまうということです。
ビタミンB6とビタミンB12の摂り過ぎによる影響
ビタミンB6について
ビタミンB6活性を有する化合物 | ビタミンB6活性を有する化合物のリン酸化型 |
ピリドキシン(PN) | ピリドキシン5-リン酸(PNP) |
ピリドキサール(PL) | ピリドキサール5-リン酸(PLP) |
ピリドキサミン(PM) | ピリドキサミン5-リン酸(PMP) |
ビタミンB6活性を有する化合物のリン酸化型は、消化管でビタミンB6にまで消化された後体内に取り込まれるため、ビタミンB6と等モルの活性を示します。
ビタミンB6の主な機能はアミノ基転移反応・脱炭酸反応・ラセミ反応など、アミノ酸に対して働く酵素の補酵素(ピリドキサール5-リン酸(PLP))的役割です。
その他にも免疫系の維持にも重要な働きをします。
[box04 title=”ビタミンB6の欠乏により起こる影響”]
ペラグラ様症候群・脂漏性皮膚炎・舌炎・口角症・リンパ球減少症が起こる。
成人ではうつ状態・錯乱・脳波異常・痙攣発作が起こる。
また、ピリドキシン(PN)を大量摂取すると、感覚性ニューロパシーを発症する。
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ビタミンB12について
ビタミンB12はコバルトを含有する化合物(コバミド)です。
アデノシルコバラミン・メチルコバラミン・スルフィトコバラミン・ヒドロキソコバラミン・シアノコバラミンなどがあります。
ビタミンB12の主な機能は、奇数鎖脂肪酸やアミノ酸(バリン、イソロイシン、トレオニン)の代謝に関与しています。
アデノシルB12依存性メチルマロニルCoAムターゼと5-メチルテトラヒドロ葉酸とホモシステインから、メチオニンの生合成に関与するメチルビタミンB12依存性メチオニン合成酵素の補酵素として機能します。
[box04 title=”ビタミン B12 の欠乏により起こる影響”]巨赤芽球性貧血・脊髄及び脳の白質障害・末梢神経障害などが起こる。[/box04]
ビタミンB6とビタミンB12を毎日摂取していると、摂取していない人に比べて肺がんリスクが約2倍上がるという研究があります。
そして、『喫煙者』だとさらにリスクが上がり、上記と同じ摂取の条件でも約3倍以上に膨れ上がってしまいます。
ただし、これは男性の話で、女性ではビタミンB群摂取と肺がん発症の関連は認められません。
葉酸の摂り過ぎによる影響
葉酸は狭義には、p-アミノ安息香酸にプテリン環が結合し、もう一方にグルタミン酸が結合した構造を持ちます。
これは自然界には稀にしか存在せず、私たちが摂取するのはサプリメントや葉酸の強化食品など、通常の食品以外の食品に含まれるものに限られ、人為的に合成されたものになります(これを『狭義の葉酸』と呼ぶ)。
一方、食品中には異なる構造を持ったプテロイルモノグルタミン酸の誘導体が複数存在し、その大半はN5-メチルテトラヒドロ葉酸であり、これらはポリグルタミン酸型として存在します(これら食品中に存在する葉酸をまとめて『食事性葉酸』と呼ぶ)。
葉酸の主な機能は、1個の炭素単位(一炭素単位)を転移させる酵素の補酵素として働きます。
そして、DNAやRNAの合成に必要なプリンヌクレオチドおよびデオキシピリミジンヌクレオチドの合成に関与しているため、細胞の増殖と深い関係にあります。
[box04 title=”葉酸の欠乏により起こる影響”]
巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏症によるものと鑑別できない)
また、葉酸の不足は動脈硬化の引き金などになる血清ホモシステイン値を高くする。
[/box04]
葉酸の摂り過ぎによる発がんの報告はありますが、詳しくわかっていないのが現状です。
ビタミンサプリメントは摂らない方がいいのか?

がんのリスクを上げると聞くと、ビタミンサプリメントを使うことに抵抗が出てくるかと思いますが、よく見てください。
がんのリスクを上げてしまう原因は、ビタミンサプリメントを毎日摂取することによる過剰摂取が原因です。
どんなに身体にいいものであれ、摂り過ぎると逆に悪影響を与えてしまうなんて、ぶっちゃけ世の中に溢れています。
かの有名な『パラケルスス』の格言にもこのような言葉があります。
すべての物質は毒であり、毒でないものはない。用量が毒と薬を区別する。
ビタミンは私たちに必要であることは間違いありません。
日常の食事で補えない、不足したビタミンをサプリメントで補給することに関しては問題ないでしょう。
ビタミンが必要だからと過信せず、用法用量を守って摂取することが大切になります。
まとめ:サプリメントの摂取を習慣にしてはいけない
これまでをまとめましょう。
ビタミンを過剰に摂ることによって起こる影響
- ビタミンA(β-カロテン) → 肺がんのリスク
- ビタミンB6とビタミンB12 → 肺がんのリスク
- 葉酸 → 詳しくはわかっていないが、発がんの報告あり
どんなものであり摂り過ぎると悪影響をおよぼしてしまう。
用法用量を守ることが大切である。
ビタミンを摂ることが悪いのではなく、ビタミンを摂り過ぎることで身体に悪影響を与えてしまうのです。
毎日の習慣のようにビタミンサプリメントを摂ることは避けた方がいいですね。
しかし、何かの症状が出るまでどのビタミンが不足してるかなんてわからないのが現状です。
ビタミンが不足することで起こる身体の変化を防ぎたい場合は、食べた食材に含まれるビタミンを把握すること、ビタミンサプリメントを摂る場合は間隔を開けて摂ることをおすすめします。
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