[chat face=”haraheri1.png” name=”ナヤミさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]HMBって筋トレ『してない人』と『している人』どっちが効果的なの?[/chat]
このような疑問に答えます。
- HMBは筋トレしない人に効果的
- HMBが筋トレ経験者に効果がなかった実験
HMBが筋トレをしない人に効果を発揮するのは、筋トレの刺激に慣れていないことが関係しています。
単純にベンチプレスなどの重量が増えるだけではなく、筋肉損傷を示す生化学データ上にも現れています。
逆に筋トレの刺激に慣れてしまっている経験者は、筋肉損傷が起こりにくくなっているためHMBの効果が発揮されにくいということが考えられます。
筋トレ経験者がHMBの効果を発揮するには
- よりハードワークをする
- 違う種類の筋トレ
などを考えないといけません。
HMBは筋トレしない人に効果的

HMBは普段筋トレをしない人に効果的です。
普段筋トレをしない人にHMBを摂取させ、効果を調べた実験があります。
- 抵抗運動中の筋肉代謝とパフォーマンスに対するHMBの影響を調べた2つの実験(ニッセン等)
- 0、3、6gのHMB補給が筋力と除脂肪体重(LBM)に及ぼす影響を調べた実験(Gallagher他)
①の2つの実験ではHMBを摂取することで、HMBを摂取しないときと比べて持ち上げれる最大重量(1-RM)にも生化学データにも結果が現れています。
②の実験に関しては、持ち上げれる最大重量(1-RM)にこそ結果はでないものの、除脂肪体重(LBM)や生化学データにしっかり現れています。
HMBは普段筋トレをしない人に効果的だといえます。
HMBが普段筋トレをしない人に効果を発揮した実験
①②の実験について紹介します。
飛ばして大丈夫です。※興味がある人だけ見てください。
①抵抗運動中の筋肉代謝とパフォーマンスに対するHMBの影響を調べた2つの実験(ニッセン等)
対照:健康な訓練を受けていない男性
実験1
HMBを0、1.5、3g/日摂取し、体重を週3日/3週間持ち上げる。
結果
20~60%の範囲でHMBの量に対して筋損傷(CK)やタンパク質分解(3-MH)の血漿マーカーを減少させる。
持ち上げられた総重量もHMBの量に対して増加。
- 0g → 8%
- 1.5g → 13%
- 3g → 18.4%
実験2
HMBを0、または3g摂取し、体重を毎日2~3時間/7週間持ち上げる。
結果
2周目と4~6週目の除脂肪体重(LBM)が大幅に増加。
持ち上げれる最大重量(1-RM)ベンチプレスを平均15ポンド増加。
HMB使用なしでは平均5ポンド増加。
※1ポンド = 0.45359237kg
- 15ポンド = 約6.8kg
- 5ポンド = 約2.3kg
②0、3、6gのHMB補給が筋力と除脂肪体重(LBM)に及ぼす影響を調べた実験(Gallagher他)
対照:37人のトレーニングを受けていない男性
実験
持ち上げれる最大重量(1-RM)の80%で週3回/8週間、10種類の運動
結果
8週間のトレーニング後の持ち上げれる最大重量(1-RM)、または体脂肪量の状態間に有意差を認めなかった。
筋損傷(CK)低下、ピーク等尺性トルク、さまざまな等速性トルク値、除脂肪体重(LMB)をプラセボ(偽薬)よりも大幅に増加させる。
HMB3gと6gの条件の差に違いはなかった。
HMBを用いた実験の考察
まず目につくのは、思った以上にハードなトレーニングをしていることです。
- 自分の体重量を週3日/3週間
- ウェイトトレーニング毎日2~3時間/7週間
- 持ち上げれる最大重量(1-RM)の80%で週3回/8週間、10種類の運動
『普段筋トレしない人が急に無理やろ…』といわれそうですが、そこは置いといて。
筋トレしない人がする訳だから、もちろん伸びしろが大きいことも考えられますが、HMBの使用あるなしでここまで差が出るとは驚きました。
①実験1
HMB摂取による持ち上げれる総重量の増加
- 0g → 8%
- 1.5g → 13%
- 3g → 18.4%
①実験2
持ち上げれる最大重量(1-RM)ベンチプレス
- HMBなし → 平均約2.3kg
- HMBあり → 平均約6.8kg
②の実験では、持ち上げれる最大重量(1-RM)に差は出ませんでした。
HMBが筋トレ経験者に効果がなかった実験

HMBが筋トレ経験者に効果がなかった実験があります。
- 異化作用、身体組成、強度のマーカーに対するレジスタンストレーニング中のHMB補給の効果を調べる実験(Kreider他)
- 大学フットボール選手の筋力と体組成に対するHMBの影響を調べる実験(ジャック他)
- 高強度トレーニング中のパワーパフォーマンスと筋肉損傷とストレス指標に対するHMBの影響を調べる実験(ホフマン等)
HMBが筋トレ経験者に効果がなかった実験の詳細
①②③の実験について紹介します。
飛ばして大丈夫です。※興味がある人だけ見てください。
①異化作用、身体組成、強度のマーカーに対するレジスタンストレーニング中のHMB補給の効果を調べる実験(Kreider他)
対照:40名の経験豊富なレジスタンストレーニングアスリート
条件:HMBを0、3、6g/日、28日間使用の前後に持ち上げれる最大重量(1-RM)
結果
HMB摂取により、血清および尿中HMB濃度は大幅に増加したが、全身の同化/異化状態、筋肉と肝臓の酵素の流出、脂肪/骨のない質量、脂肪の質量、体脂肪率、または持ち上げれる最大重量(1-RM)強度の一般的なマーカーには、統計的に有意な差は観察されなかった。
②大学フットボール選手の筋力と体組成に対するHMBの影響を調べる実験(ジャック他)
対照:激しい運動プログラムを受けている35人の大学のフットボール選手
条件:ベンチプレス、スクワット、パワークレンジング
16人にHMBを3g/日/4週間。他の19人はプラセボ。その後1週間のウォッシュアウト期間が続き、ランダム化された二重盲検クロスオーバープラセボデザインの2回目の補充。
結果
ベンチプレス、スクワット、パワークリーンを含む筋力に有意な変化なし。
体脂肪や体重などの体組成に有意な変化なし。
③高強度トレーニング中のパワーパフォーマンスと筋肉損傷とストレス指標に対するHMBの影響を調べる実験(ホフマン等)
対照:大学フットボールチームの26人のメンバー
条件:プレシーズン(PRE)の前と10日間のプレシーズンサッカートレーニングキャンプ(POST)の終わりに嫌気性力テストを行う。
各テストセッション中に、テストステロン、コルチゾール、クレアチンキナーゼ、およびミオグロビン分析のために血液サンプルが採取。
HMBを3g/日、またはプラセボをグループにランダムに与える。
結果
コルチゾールPRE→POSTで大幅に減少し、POSTでクレアチンキナーゼ濃度が6倍に増加。
グループ間の有意差なし。
テストステロンまたはミオグロビン濃度に有意な時間またはグループの影響なし。
HMBが筋トレ経験者に効果が出なかったのは筋トレの刺激に慣れたから
HMBが筋トレ経験者に効果が出なかったのは『筋トレの刺激に慣れた』事が考えられます。
筋トレ経験者はある程度の筋トレ刺激に適応しているため、筋肉損傷が起こりにくくなっています。
HMBには筋肉損傷を軽減する作用があり、筋肉損傷が高まったときにHMBの効果が発揮すると考えられているのです。
そう考えるとなんか納得してしまいますね。
HMBは筋トレ経験者に不向きなのか?
筋トレの刺激に慣れて筋肉損傷が起こりにくいことが原因と考えるならば、違う刺激を与えればいいだけです。
- よりハードトレーニングをする
- 違う種類の筋トレをする
HMBは筋トレ初心者が使うことは合理的ですが、ある程度の筋トレ経験者になってくると工夫をして筋トレをしないといけないので、HMBは上級者向きになりますね。
まとめ:HMBのことを理解することが重要
これまでをまとめましょう。
HMBが筋トレしない人に効果的なのは筋損傷が起こりやすいため
逆に筋トレ経験者に効果が現れないことがあるのは、筋トレの刺激に適応しているため筋損傷が起こりにくい事が考えられる
HMBは筋トレしない人に合理的だが、筋トレ経験者がHMBを使うときは
- よりハードトレーニング
- 違う種類の筋トレをする
が必要になってくる。
HMBは効果ないといわれる新たな理由がわかりました。
- HMBは効果時間が短いため、血中濃度が低いときに筋トレをしている可能性
- 筋トレ刺激に適応して筋損傷が起こりにくくなっている
やはり、正しく使われてないことが1番の理由ですね。
サプリメントの効果を得るには、サプリメントのことを詳しく知ることが重要だと改めて思い直しました。
参考文献
Gabriel J Wilson, Jacob M Wilson & Anssi H Manninen
Nutrition & Metabolism volume 5, Article number: 1 (2008)
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