【危険】筋トレの指標を筋肉痛にしてはいけない理由

【危険】筋トレの指標を筋肉痛にしてはいけない理由

[chat face=”haraheri1-1.png” name=”ナヤミさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]筋肉痛って筋肉のダメージだよね?

筋肉痛が起きないと筋トレは効果ないの?

筋肉痛をどうにかしたい…[/chat]

このような疑問に答えます。

結論からいうと、実は筋肉痛のメカニズムはわかっていません。

有力といわれている説があるだけなんです。

そして、筋肉痛が起きなくても、筋肉に刺激を与えるだけで筋トレの効果は得られます。

この記事を読むことで、『筋肉痛の有力な説』や『筋肉痛を指標にしてはいけない理由』、『筋肉痛になりやすい運動』、『筋肉痛の対処方法』がわかります。

筋肉痛のメカニズムはわかっていない

mechanism

実は筋肉痛が起こるメカニズムはわかっていません。

いろんな研究が行われて学説が出ていますが、それぞれを比べても一貫性が取れないからです

その中で有力な学説といわれているのがこの2つです。

  1. 運動したときに発生する、疲労物質の『乳酸』が原因の説
  2. 傷ついた筋繊維が修復されるときに起こる『炎症』が原因の説

※しかし、最近では1の『乳酸』が原因の説の矛盾が指摘されて、違うのではないかといわれています。

そのため、最も有力なのは2の筋繊維が修復されるときに起こる『炎症』 の説となっています。

1.疲労物質の『乳酸』が原因ではなかった

疲労物質である『乳酸』が筋肉痛を起こしているとは考えにくいです。

なぜなら、疲労により蓄積された血液中の乳酸値は、運動後すぐに低下してしまうからです。

筋肉痛が起こると数日間痛みが続きます。

もし、乳酸が原因なら痛みが出る間は、痛む部分にいなければいけません。

運動後すぐに血液中の乳酸値が低下してしまうのなら、乳酸が筋肉痛の原因であることは考えにくいのです。

2.筋繊維が修復されるときに起こる『炎症』が原因の可能性

筋繊維が修復されるときに起こる『炎症』が、筋肉痛を起こしていると考えられます。

まず筋肉の仕組みを説明します。

筋肉は数千本もの筋繊維が束になり、この束を筋膜が包むように形成されています。

痛みを伝える神経は筋膜にはつながっているものの、筋線維にはつながっていません。

続いて炎症について説明します。

身体の中で『炎症』を起こす原因

  • 擦過傷などの外傷や打撲
  • 病原体侵入
  • 化学物質刺激
  • 新陳代謝異常による組織細胞の異常変化
  • 極端な温度環境
  • 外耳道
  • 肺などへの水の浸入など

炎症が現れると特徴的な徴候を示します。

発赤(ほっせき)』『疼痛(とうつう)』『発熱(はつねつ)』『腫脹(しゅちょう)

この4つを炎症の4徴候(ケルススの4徴候)といいます。

炎症が起こる場所によっては『機能障害(きのうしょうがい)』が出るため、その場合は炎症の5徴候(ガレノスの5徴候)といいます。

徴候について簡単に説明します。

異常 筋トレなど激しい運動をして筋肉が傷つく
発赤 傷ついた部分を治そうと、身体中から治療に必要なものを集めるため血流が増える。赤く見える。
疼痛 血流にのってきた食細胞が、キニンやプロスタグランジンなどの化学物質を出すことで痛みを感じ始める。身体に異常が起きたことや、これ以上動いてはいけないと教えてくれている。疼痛 = 痛み。
発熱 身体を治してくれる修復細胞は温度が高い方が活発に動くので、マクロファージや白血球などが熱を出す。炎症してる部分が熱いのは発熱しているから。
腫脹 傷ついている部分に血流が集まり、治療に必要なものを活発に交換しているため腫れているように見える。

炎症の4徴候のなかの『疼痛』が、筋肉痛を起こしている原因ではないかと考えられているのです。

筋トレの指標を『筋肉痛』にしてはいけない

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筋トレがちゃんとできたなどの指標を『筋肉痛』にしてはいけません。

筋肉痛にならなくても、筋肉に刺激を与えることで筋トレの効果を得られるからです。

人は同じことを繰り返すことで学び、習慣化していく生き物です。

筋トレの負荷を身体が学習し筋肉が成長することで、筋肉痛になりにくくなるのです。

筋肉の成長には主に『超回復』が関わってきます。

超回復

筋力トレ後に24~48時間くらいの休息をとることによって起こる現象で、休息の間に筋肉の総量 がトレーニング前よりも増加することをいいます。

筋肉痛が出るまで筋トレをしてしまうと、どうしても身体に無理がきてしまいケガの原因になります。

筋肉痛はあくまで目安程度に考え、筋肉痛を目的にしないようにしましょう。

エキセントリック(伸張性)運動は筋肉痛になりやすい

muscle pain

重いものを下ろしたり、階段から降りたりするエキセントリック(伸張性)運動は筋肉痛になりやすいです。

なぜなら、筋肉を伸ばすときの方が筋繊維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすくなるからです

そして筋肉を伸ばすときの速度が速いほど、大きな力を発揮できますが筋繊維の負荷も高まります。

より強く筋繊維に負荷を与えるには、階段から降りたりダンベルを持って曲げた腕を元に戻す方がいいということですね。

その他の収縮運動を紹介します。

コンセントリック(短縮性)運動:重いものを持つ、階段を登る

アイソメトリック(等尺性)運動:プランク(腕と肘をついて足を伸ばし、つま先を立てその状態を維持する)、空気椅子

筋肉痛を和らげたり防いだりする方法

筋肉痛を和らげたり防いだりする方法を紹介します。

1.筋肉痛を和らげる方法

  1. 熱を持った筋肉をアイシング(冷やす)する
  2. 温冷交代浴をする
  3. ストレッチをする
  4. プロテインを飲む

2.筋肉痛になりにくくする方法

  1. 筋トレ前にウォーミングアップ(準備運動)を入念にする
  2. 筋トレ前にBCAAを補給する
  3. クールダウンをする

1-1.熱を持った筋肉をアイシング(冷やす)する

筋トレ後に筋肉をアイシングすることで、筋肉痛を和らげることができます。

筋肉痛の原因ははっきりわかっていませんが、筋トレなどの激しい運動で筋繊維が傷ついていることは確かです

その際に炎症を起こしているので、アイシングすることで炎症が抑えられて筋肉痛が和らぐのです。

アイシングの効果

  • 皮膚表面の温度を下げる
  • 細胞の新陳代謝を低下させる(ダメージを受けた組織の低酸素症を防ぐ)
  • 炎症の軽減
  • 痛みを和らげる
  • 筋肉の緊張を和らげる
  • 治療期間の短縮

1-2.温冷交代浴をする

heat and cool

※筋肉に炎症がある状態で行うと二次的な損傷を起こすかもしれませんので、アイシングでしっかり炎症を抑えてから行ってください。

温浴と冷水浴を繰り返す、温冷交代浴により筋肉痛が和らぎます。

温められたことで血管が拡張し、その後冷やされることで収縮することにより、血管がポンプのように働き血流がよくなるからです

血流がよくなることで筋繊維の回復が早まるので、筋肉痛も和らぎます。

温冷交代浴の入浴方法

  1. 42℃程度のお湯に全身浸かる 3~5分
  2. 浴槽から出て冷水(シャワーでも可)に浸かる 1~2分
  3. 温水→冷水を3セット繰り返す
  4. 最後は冷水で終わるようにする
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1-3.ストレッチをする

※こちらも温冷交代浴と同様に、筋肉に炎症がある状態で行うと二次的な損傷を起こすかもしれませんので、アイシングでしっかり炎症を抑えてから行ってください。

ストレッチをすることで筋肉痛が和らぎます。

ストレッチの効果で筋肉がほぐれることにより、血行が促進するからです

筋肉痛で何もしないと、筋肉が固まり血行が悪くなる可能性があるので、ストレッチで筋肉をしっかりほぐしてやってください。

1-4.プロテインを飲む

プロテインを飲むことで筋肉痛を和らげることができます。

筋肉を作る材料を補給することで、筋繊維の修復力を高めることができるからです。

プロテインには必須アミノ酸9種と非必須アミノ酸11種が入っており、これらは筋肉の材料になります。

そして、必須アミノ酸9種の内の1つであるロイシンは、筋肉の合成に深く関わるアミノ酸であるのです。

プロテインを飲むことで筋肉の合成を促進し、筋肉痛を和らげることができます。

2-1.筋トレ前にウォーミングアップ(準備運動)を入念にする

筋トレ前にウォーミングアップ(準備運動)を入念にすることで、筋肉痛になりにくくすることができます。

筋肉を事前に軽い運動などで温めておくことで、筋トレなどの激しい運動にも対応できるようになるからです

例えばストレッチを念入りに行うなどです。

筋肉が温まり動かすのに最適な状態に持っていくことで、筋トレによる筋肉痛になりにくくすることができます。

2-2.筋トレ前にBCAAを補給する

筋トレ前にBCAAを補給することで、筋肉痛になりくくすることができます。

なぜなら、BCAAには筋肉の分解を抑制したり、筋肉の合成を促進する効果があるからです。

筋トレにより足りなくなったエネルギーの代わりになることで筋肉の分解を防ぐだけでなく、筋肉を作りやすい状態へともっていってくれるのです。

筋トレにより傷ついた筋肉の修復をBCAAが助けることで、筋肉痛になりにくくなるのです。

BCAAの摂取方法

トレーニング約30分前に2g以上摂取する

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2-3.クールダウンをする

筋トレをした後すぐに辞めるのではなく、クールダウンをしっかり行うことで筋肉痛になりにくくすることができます。

筋トレなどの激しい運動後は身体の機能が興奮状態にあります。

その興奮状態ですぐに運動を辞めると、血流が悪くなる可能性があり筋肉の修復に影響がでてしまいます

筋トレ後すぐに運動を辞めるのではなく、運動強度を徐々に落としながら興奮状態を抑えていくことで、筋肉痛になりにくくすることができます。

まとめ

これまでをまとめましょう。

  • 筋肉痛のメカニズムはわかっていない
  • 最も有力な説は『乳酸蓄積説』ではなく、『筋繊維炎症説』
  • 筋肉痛はあくまで目安にする
  • 重い荷物を下ろしたり階段から降りたりする、エキセントリック運動が筋肉痛になりやすい

筋肉痛を和らげる方法4つ

  1. アイシング
  2. 温冷交代浴
  3. ストレッチ
  4. プログラムを飲む

筋肉痛になりにくくする方法3つ

  1. 入念なウォーミングアップ
  2. 筋トレ前にBCAAを飲む
  3. 筋トレ後にしっかりクールダウン

日進月歩している現代科学でも筋肉痛のメカニズムはわかっていません。

有力な説としてあるのが『筋繊維炎症説』。

理屈としては通っているのでそんな気もしますが、実際はどうなんでしょうか。

今後の研究に期待したいです。

筋肉痛があるから筋トレが出来ているという証にはなりません。

筋肉痛を指標にするとどうしても身体に無理がきて、ケガの原因になってしまいます。

筋肉痛はあくまで目安にして、自分にあった筋トレを行ってください。

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