筋トレをして筋肉が元以上になることが超回復ではない【グリコーゲンが鍵】

筋トレをして筋肉が元以上になることが超回復ではない【グリコーゲンが鍵】

[chat face=”kintore1.png” name=”ナヤミさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]筋トレをして傷ついた筋肉が元に戻るとき、元以上に筋肉が発達することが超回復[/chat]

間違いではありませんが、メカニズムが少し違うのです。

結論

元々超回復とは『カーボアップ』、別名『グリコーゲン・ローディング』のことを指す言葉です。

体内のグリコーゲン量を減らし、その後にカーボ(Carbohyderates=炭水化物、通称カーボと呼ばれる)を摂ることで、体内のグリコーゲン量が元以上になります。

これをグリコーゲンの『超回復』と呼んでいました。

日本ではいつからか、グリコーゲンの超回復=筋肉の発達という認識になってしまったのです。

この記事を読むことで

  • 『超回復』についての理解
  • 超回復=カーボアップのやり方

がわかるようになります。

筋トレをして筋肉が元以上になることが超回復ではない

グリコーゲン・ローディング

『超回復』とは筋トレをして傷ついた筋肉が元に戻るとき、元以上になることとお思いかもしれませんが、実は違うのです。

元々超回復とは『カーボアップ』、別名『グリコーゲン・ローディング』に用いられる言葉でした。

体内のグリコーゲン量を減らし、その後にカーボ(Carbohyderates=炭水化物、通称カーボと呼ばれる)を摂ることで、体内のグリコーゲン量が元以上になります。

これをグリコーゲンの超回復と呼びます。

日本ではいつからか、このグリコーゲンの超回復=筋肉の発達という認識になってしまったのです。

ただし、グリコーゲンを筋肉内に溜め込むことで筋肉の体積が増えます。

つまり、筋肉が大きくなるという訳です。

筋肉が大きくなるという意味では超回復は間違っていませんが、傷ついた筋肉が元に戻るときに肥大するのではなく、グリコーゲン量が増えるから筋肉が大きなるのです。

カーボアップのメリット

カーボアップのメリット

カーボアップすることで、筋肉内のグリコーゲン量が増えて、結果的に筋肉が大きくなることがわかりました。

その他のメリットを見ていきましょう。

  • 炭水化物を摂ることでインスリンの分泌を促し、アナボリック環境を造る
  • グルカゴン、コルチゾールを低下させることにより、筋分解を防ぐ
  • 組織内の電解質やグリコーゲン、アミノ酸が減少している場合、それを元のレベル以上に戻す(筋肥大の引き金になる)

筋肉を作ってくれる環境を整えてくれることが何よりの効果ですね。

カーボアップのデメリット

カーボアップのデメリット

今までカーボアップのメリットばかりを説明してきましたが、やはりデメリットもあります。

そのデメリットして1番なのは『体脂肪』です。

インスリンには筋肉を増やす効果もありますが、体脂肪も増やしてしまうという欠点があるのです。

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カーボアップのやり方

カーボアップのやり方

カーボアップのメリットやデメリットを理解した上で、カーボアップのやり方を見ていきましょう。

カーボアップのやり方3つ

  1. Ahlborg氏の方法
  2. Sherman氏&Costill氏の方法
  3. 最新のカーボアップ方法

1つずつ説明していきます。

1.Ahlborg氏の方法

Ahlborg氏が提唱した方法

  • 3~4日間低炭水化物食に引き続き、3日間高炭水化物食を行う

Ahlborg氏によって体内のグリコーゲン量が多いほど、持久的パフォーマンスが向上することが示されました。

試合などの1週間前になったら、完全に疲れるまで運動し体内のグリコーゲン量を減らします。

3~4日間は、トータル摂取カロリーの10%だけ炭水化物から摂取し、運動を適度に行うことによって体内のグリコーゲンレベルを低い状態にします。

そして、残りの3日間はトータル摂取カロリーの90%を炭水化物から摂取し、運動を軽めにして体内のグリコーゲン量を溜めていくようにします。

あえてグリコーゲン量を減らすことで『グリコーゲン合成酵素を活性化』できるため、後半3日間の高炭水化物食によって通常よりもグリコーゲンを多く溜めこむことができるのです。

1-1.Ahlborg氏の方法のデメリット

しかし、このAhlborg氏の方法にはデメリットがあります。

それは、多くのアスリートにいえることですが、試合の1週間前というのは試合のために運動を控えめにしたり、コンディションを整える調整期であることです。

このタイミングでAhlborg氏の方法をしてしまうと、逆に体調を崩したりしかねません。

実際に体調の不良を訴える選手が出てきたとの報告もあり、一概におすすめできる方法ではないのが現状です。

2.Sherman氏&Costill氏の方法

次に、Sherman氏&Costill氏の方法を紹介します。

Ahlborg氏と同じく1週間のプロトコルですが、まず運動強度は変えずに運動時間を減らしていきます。(これをテーパリングといいます。)

具体的に運動強度として70~75%VO2maxとし、1日目は90分、2~3日目は40分、4~5日目は20分の運動を行います。

食事については、最初の3日間はトータル摂取カロリーの50%を炭水化物から摂取します。

残りの3~4日間は、トータル摂取カロリー70%を炭水化物から摂取します。

この方法ならアスリートに負担がかかることなく、さらにAhlborg氏の方法と同程度の効果が得られるのです。

比率ではなく量で計算する場合

最初の3日間:体重1ポンドあたり1.8gの炭水化物を摂取

残りの3~4日間:体重1ポンドあたり4.5gの炭水化物を摂取

『1ポンド=0.45359237kg』

最初の3日間:1kgあたり4g(1ポンド0.45gで計算)

残りの3~4日間:1kgあたり10g(1ポンド0.45gで計算)

体重70kgだとしたら、最初の3日間:炭水化物280g、残りの3~4日間:炭水化物700gを摂ればいいことになります。

VO2max(最大酸素摂取量)

VO2maxとは最大酸素摂取量のことをいい、1分間に1kgあたりどれだけ酸素を取り込めるか?という数値になります。

健康づくりのための性・年代別の最大酸素摂取量の基準値(ml/kg-1/分-1)

  20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代
男性 40 38 37 34 33
女性 33 32 31 29 28

引用:健康づくりのための運動基準2006 ~身体活動・運動・体力~

3.最新のカーボアップ方法

もっと短期にカーボアップする方法が2002年に西オーストラリア大学から発表されました。

それは、ごく短時間の超高強度運動が、速筋と遅筋の両方におけるグリコーゲン蓄積をもたらすという知見に基づいたものです。

その方法

  1. VO2maxの130%で150秒間の自転車漕ぎ運動を行う
  2. それに引き続き、全力のパワーで30秒間漕ぎ続ける
  3. その後、24時間にわたって除脂肪体重1kgあたり12gの炭水化物を高GI食品で摂取する

ここで注目されるのは、高GI値の食品を摂ることです。

高GI値の食品は吸収が早く、またインスリンの分泌が強いため、効率的にグリコーゲンが合成されるのです。

この方法を行うことで、Ahlborg氏やSherman氏&Costill氏の方法だと1週間かかるのに対して、なんとたった24時間で同じだけのグリコーゲンを蓄積することができるのです。

カーボアップの効果を高める方法

カーボアップの効果を高める方法

カーボアップをより高めるためのコツが2つあります。

  • クエン酸を摂取する
  • 水分摂取と塩分を忘れない

これも1つずつ見ていきましょう。

クエン酸を摂取する

ATP(アデノシン三リン酸)は糖質あるいは脂質から産生されます。

そのため、カーボアップを行う場合は体内で糖質が使われる量をできるだけ減らすことがポイントになります。

糖質は『解糖系』と呼ばれるATP産生機構でエネルギー化されます。

しかし、クエン酸を摂取することで、解糖系における酵素(ホスホフルクトキナーゼ)が阻害されます。

つまり、クエン酸は糖質がエネルギーとして消費されてしまうのを抑えてくれるのです。

そのため、カーボアップ時にクエン酸を摂取することで、効率的にグリコーゲンを蓄積することができるのです。

摂取量の目安

1日に6~10g程度

水分摂取と塩分を忘れない

1gのグリコーゲン中には、2.7gの水となる水素イオンが含まれます。

つまり、グリコーゲンを作るには水が必要なのです。

また、グリコーゲンを作るときには塩分も必要になります。

ですので、カーボアップのときには水と塩分が不足しないように気をつけることが大切です。

まとめ:アスリートの努力は凄まじい

これまでをまとめましょう。

超回復とは元々グリコーゲンの回復が元以上に戻ることだった

超回復はグリコーゲンの回復だけではなく、それによって筋肉も増えた

カーボアップは筋肉を作りやすい環境にしてくれる

カーボアップはインスリンを出すため、体脂肪も増えてしまう

カーボアップの方法は3種類

  1. Ahlborg氏法
  2. Sherman氏&Costill氏法
  3. 最新のカーボアップ法

※おすすめは最新のカーボアップ法

カーボアップの効果を高めるには、クエン酸と水分摂取、塩分が必要

超回復とは元々グリコーゲンが元以上に戻ることだったのが、いつのまにか日本では筋肉の発達という認識に変わってしまったことに驚きです。

結果的に筋肉が増えることでは同じですが、メカニズムは全然違いますね。

正しく理解することが大切になります。

アスリートが行うカーボアップ。

このような歴史があり現在に至る訳ですね。

たった24時間でできるとなると負担も少なく行えそうです。

それにしても、アスリートの努力には頭が上がりません。

参考文献

アスリートのための最新栄養学(上) 山本義徳

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